兵庫県淡路島の真ん中に位置する洲本市。
市街地の南にそびえる標高133mの三熊山山頂に洲本城があります。
続・日本の名城100選に選ばれたこの洲本城では、戦国時代から江戸時代にかけて淡路国統治の拠点となった山城で、三好氏の重臣安宅氏の築城に始まり仙石秀久、脇坂安治が居住しました。
現在は住時を偲ぶ石垣が残され、国の指定史跡、県の指定文化財に指定されています。
その石垣を見上げる参道沿いに、大きな鳥居があります。
そこから先は、昼なお深い森の中にひっそりと祀られた神社。
狭い坂道を下る道の脇に、十二の祠が建立されています。
子は伊勢大明神、丑は八幡大菩薩、とそれぞれ赤い鳥居と祠が並ぶ壮観な眺め。
その十二支神社を見ながら、さらに下へ下へと降りていくと大永6年(1526年)の頃、安宅隠岐守治興が、洲本城を構築の際、城郭の鎮守として、また城下町繁栄のため奉祀した八王子神社があります。
後の稲田氏の統治下においても崇敬高く、明治以降の市民の尊崇する神社として祀られています。
大岩の狭間に祀られた社前には、稲田九郎兵衛が奉納した、元禄15年(1702年)11月銘の一対の灯籠と、正徳6年、享保元年(1716年)3月銘の四角い手洗い桶があります。
続く階段を降りると、清高神社があり、さらに降りていくと、次の大岩があり、ここにも賽銭があげられています。
これは、神社と巨石信仰が結びついたものであると見られています。
この神社は、城が建立され、まちが開かれる前から
洲本のまちをずっと守り続け
今なお人々の心の拠り所として
ただ、ひっそりと、私たちの暮らしを見守り続けているのです。